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01 オレ、エドワード・エルリック 二十七歳。 独身OLなんだが、童顔のお陰でいまだに学生と間違われる始末。 そんなオレには可愛いくて、可愛くて、愛しい従弟がいる。 その従弟にオレは親愛以上の想いを抱いていた。 の、だが。 「え?ロイに恋人が」 「そうなのよ。中学に入って直ぐに」 家に帰宅すれば、父の妹である叔母がいた。 久しぶりね、と挨拶を交わしてから叔母の息子であるロイの話になり、口頭の台詞だ。 頭が鈍器で殴られた気分に陥ったオレは、頬を引きつらせながら、叔母の話を聞いていた。 母が話しに交わり、オレは服を着替えると言ってリビングを出た。 二階の自室に駆け込み、ベッドにダイブ。 ズン、と暗雲が全身を覆う。 「姉さん?」 そこへ弟のアルフォンスがノックとともに部屋に入ってきたが、返事を返すことは出来なかった。 当然だ。 ショックだぞ! すっごく、ショックだ! 「どうしたの?」 「………」 「ロイ君のこと?」 ロイの名でピクリ、と身体が反応した。 それを目にして、アルフォンスは苦笑する。 「姉さんは本当にロイ君が好きだね」 「当然だ!どれだけ、どれだけ大切にしてきたかわかっているか!?」 「わかっているよ」 姉さんがロイ君を可愛がる、というか愛情を注ぐ姿は従弟だからでは説明がつかない。 あれはどこをどうみても、恋情だ。 「そのロイに恋人ができたって」 「あーやっぱり」 「え?なに?やっぱりって」 「ロイ君は叔父さんに似て、整った顔をしていたし、女にもてる要素一杯もっているし」 反対に。 「今までいなかったことが不思議だよね」 「小学生で恋人なんて早いだろ!」 「そんなことないよ」 否定するな。 弟よ。 「じゃなにか?オレが手を出しても当然だと」 「いや、それはどうかな」 「ダメなのかよ!じゃ小学生で恋人も」 「年齢を考えてね。姉さん」 「ヴッ」 年齢。 痛いところを突かれて、その場で撃沈。 「姉さん、本当にロイ君のことが好きなんだね」 「好きだよ。悪いか?」 「悪くはないけど、どこが好きなの?」 「いくとき」 「いくって何処に?」 「何処って何処にもいかないぞ」 「?」 「だから、自慰をしている時」 「!」 一瞬にして、アルフォンスが驚きに目を見開いた。 「ね、ねねね、姉さん?!」 「一年前かな。遊びに行った時に見ちゃったんだよ。ロイの自慰を。その時のロイが頬を赤くして、漆黒の瞳が濡れていてなによりも艶やかで、もう、無茶苦茶興奮した!」 「興奮って………」 「アレからだな。ロイを一人の男として見るようになったのは」 「え、ええええ?!」 「な、何だよ。アル」 「何だよ、じゃないよ。じゃそれまでは」 「可愛い従弟」 「それだけ?」 「それだけ」 ってことは。 「ロイ君への行動は無意識だったのか」 そして。 「意識し始めたのは、一年前、と」 切欠が切欠でどうかな、と思うけど。 「アル〜〜〜オレはもう、もう!」 「もう、もうって牛じゃないんだから」 「ロイの童貞はオレが貰う予定だったのに!」 「そこですか!」 と、いうか。 「大声でそんなことを叫ばないでよ!」 「いいじゃん。家なんだから」 「下には叔母さんがいるんだよ」 「あ、そうだった」 今気付いたとばかりに、口唇を両手で覆った。 「遅いよ。姉さん」 「ヴ〜〜〜」 「そんなにロイ君が好きなら、告白をしておいでよ」 「で、でも………彼女がいるし」 「告白ぐらいなら、彼女がいても聞いてくれると思うよ」 「………ヤダ」 「ヤダってどうして?」 「関係が崩れるから」 「関係って」 「こ、告白したら、前のように向き合ってくれなくなるだろ」 「ロイ君が?それとも姉さんが?」 「………ロイも、オレ、も……」 告白して、ギクシャクするのは嫌だ。 だったら、今の関係でいい。 「姉さん。ロイ君のこと、本気なんでしょう」 「もちろん!」 本気だ! 「だったら、告白して玉砕して、新しい恋を見つけたほうがいいと思うよ」 「新しい恋って、しかも玉砕かよ!」 「だって、ロイ君にはもう彼女がいるんだし」 「ヴッ」 「姉さんの想いは届かないと思うよ」 「………そ、そうだよな」 届かないよな、とズズン、と落ち込むエドワードに、アルフォンスは胸中で楽しそうに笑った。 人の恋路を見るのは楽しいな。 特に、姉さんとロイ君のは。 「ま、どうするかは姉さん次第だけど」 本棚から、漫画の本を数冊手に取り、アルフォンスは頑張って、と言って部屋を出て行った。 「頑張ってって」 言われても。 「どうすればいいんだよ」 はぁ、と溜息を吐いて、エドワードはベッドに横たわった。 〜続きはオフにて〜 |