□ 続・目を背けることができない真実 1 □










 朝、鏡を見て。

「行きたくない」
「何処に?」
「仕事に」
「何故?」

 首を傾げて問うてくるロイに、エドワードはグリンと顔を振り返し。

「お前の所為だろうが!」
「髪を切って、肌の手入れをしただけだろう」

 そう。
 ばっさばさにのびていた髪をばっさりと切られたのは昨日のこと。
 顔を覆っていた前髪が無くなり。
 背中まであった後ろ髪は首が見えるほど短くなって。
 軽いことこの上ない。
 その上、荒れていた肌のケアまでしてくれた。

 の、だが。

「せ、せめて眼鏡を」
「駄目だ」
「な、なんで?!」
「伊達眼鏡なんてかける必要はないだろう」

 こんなにも可愛いのに、とロイは横髪を掬い上げて微笑む。
 けれど、エドワードは納得いかないとばかりにムスッとして。

「嬉しくない」

 目の前のロイを睨みつけた。
 そんなエドワードにロイは微笑して。

「取引、だろう」
「ヴッ」
「私を好きにしていい代わりに、エディを私好みに変身させる」
「そ、それはそうだけど―………」
「そのうちになれるさ」

 嫌でもね。

「ヴ〜〜〜」
「で、仕事は何時からだ?」
「えっと午後一時から」
「まだ時間があるな。出かけるぞ」
「へ?」
「服を買いに行くと言っている」
「え、は、な?!」
「クローゼットを確認したが、どれもこれもババくさい色にキミに似合わない服ばかり」
「ババくさくて悪かったな!」
「破けているものまであったぞ」
「そういう服なんだよ!」
「違うな。あれは着破けた痕だ」
「ぐっ」
「ジーンズもサイズがまばらだ」
「穿けたらなんでもいいんだよ!」

 その言葉にロイは呆れた顔を見せて。

「良くない。古着で適当に買うのは止めなさい」

 と、いうことで。

「行くぞ」

 エドワードにシャツとジーンズを着替えさせてから、嫌がる金を引きずるようにしてロイは部屋を出た。






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   08/06/27UP