| 朝の日差しとともに目を覚ましたロイは隣で眠っているであろうエドワードに腕を伸ばしたが、温もりなど微塵もなく、冷たいシーツの感触が返ってきた。 驚愕するとともにロイは身体を起き上がらせた。 「エド……エドワード」 周囲を見渡すがエドワードの姿も……服も……気配も……無い。 居たことを証明するかのように残っていたいたものはナイフで切った金の髪と銀時計だけで……。 「エド……」 そっと金の髪を拾い上げ震える指で握り締める。 とうとう………私の下から去ったか。 否。 去るように仕向けたのは私だ。 心から………。 初めて……初めて本気になった。 心から愛した………キミ。 エドワード・エルリック。 十四の年の差。 お稚児と周囲から言われようと関係ない。 私はエドワードという人間を好きなっただけだ。 だが。 私の好きはある意味『凶器』だった。 想いが募れば募るほど。 好きになればなるほど。 身体も。 心も。 全てが欲しくなり仕舞いには監禁まで思い立った。 そんな自分を滑稽に思い、直ぐに思考から打ち消した。 あの子の邪魔をしたくはない。 だから。 一度は諦めようとした。 けれど。 心よりも身体が……本能が……彼を欲した。 そして。 「欲望のままキミを………抱いた………」 しかし。 あの子は非難するわけでもなく、私を受け入れた。 悲しい微笑みを向け両腕をのばして………。 表面上、愛が無いセックスに付き合ってくれた。 『ロイ………』 擦れた声で優しく私を包み込むキミ………。 いつまでも包まれていたい温もり。 でも。 それは許されないこと。 だから………私は自分自身に罰を与えるように仕向けた。 ワザと女性の香水を身につけて。 遊びだと……戯れだと……身体だけの付き合いだと………思わせて……。 私から逃げなさい、と………態度で示して………。 「寒い…な」 金糸に口付け小さく呟いた。 「エド……ワード……キミが好きだ……これからもずっと愛してっ………」 胸中に溜めていた想いを吐き出した。 涙とともに………。 それから五年の歳月が過ぎた冬。 二つの人影が中央司令部に降り立った。 止まっていた歯車が………回り出す………。 − 続 − 04/08/19UP |