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ここ中央司令部は平和である。
特に。
ここヒューズ大佐の執務室では先ほどから親馬鹿二人が写真を見せ合いながら子供自慢の言い合いである。
「見てください!大総統!!今日朝一のエリシアちゃんですよ〜〜〜vvもう天使のように可愛いでしょうvv」 「うんうん、確かに可愛い。しか〜〜〜し!」
ババンッとデスクの上に広げられた数十枚の写真。 そこにはキングの最愛の妻とそして子供たちが撮られていた。
「私の息子等に比べればまだまだ」 「いやいや、エリシアちゃんの方が」 「いやいや、エドとアルの方が」 「何をおっしゃいます。このエリシアちゃんが一番に決まっているじゃないですか!!」
満面の笑顔で振り返っているエリシアの写真を掲げるヒューズにキングもエドワードとアルフォンスの写真を掲げてヒューズへ突きつける。
「私のエドとアルの方が一番に決まっている!!」
最初こそお互いの子供を褒めあうが言い合ううちに我が娘・息子という雰囲気になり、それが数時間続くと。
「私の息子達が一番と言っておるだろうが!!ええ〜い、ヒューズ大佐キミは左遷だ!!」
と、まぁ権力にモノをいう始末のキングにヒューズはズルイ!と目で訴える。
「左遷にされたくなくば私の息子達を褒めるがいい!!」
はははははは、と高笑いするキングにヒューズが口を開けた。
その時。
ドアが荒々しく開くや否やキングは水を頭からぶっ掛けられた。
「キング義父さん!いい加減にしろ!!」
バケツを片手にキングの最愛の息子の一人、エドワードが立っていた。
「エド〜〜〜今日も綺麗だ〜〜〜vv」
水をかけられたにも関らずキングは鼻の下をのばしてエドワードへ駆け寄り、両腕を回したが空振り。
「?」
視線を上げるとそこにはエドワードを抱き上げたロイの姿が目に入った。
「マスタング少将、エドを降ろしたまえ」
瞬時に顔つきを変えたキングは睨むようにロイを見据える。
「大総統、子供自慢も宜しいですが」
溜息とともにロイが体を横へ寄せるや否やキングの女性秘書五名が額に青筋をたてて立っていた。
「秘書達に怒られますよ」
と、ロイが言うと同時に引きずられるように秘書達の手によってキングは連行された。
「い〜や〜だ〜。私はエドとエドと〜〜〜〜」 「仕事が終わるまではエドワード様とお会いできませんよ。大総統」 「なぬ!」 「どれだけ仕事を溜まらせているとお思いですか!今日は邸に帰れませんのでそのおつもりで」 「わ、私は大総統だぞ!!」 「「「「「重々承知しております」」」」」
声をはもらせて秘書五名がキングに視線を向ける。
「ですが、これは大総統夫人からの命令です」 「!!」 「さ、今からキリキリ決済をしてください」 「明日の昼までには五箱のダンボールを片してもらいます」 「い〜〜〜や〜〜〜だ〜〜〜エド〜〜〜〜〜」
既に大総統の威厳など形無しである。 泣き叫びながら息子の呼ぶキングを見送ったヒューズも片腕であるロス中尉に睨まれて。
「大佐も仕事へ戻ってください。本日の書類が終わるまで帰らせませんから」
そう言って山の書類を抱えた士官が執務室へ入っていく。 あっという間に部屋は書類の山となりロスはヒューズを引きずるように執務室へ連行した。 ドアが閉まるや否や声にならない叫びが執務室に轟いたという。 そんな二人を見送ったエドワードとロイは溜息を吐いて。
「・・・・親馬鹿って大変だな」 「そうだな」
エドワードを降ろし自分達も部屋へ戻ろうとした廊下でエドワードが何かを思いついたように顔を上げて。
「ロイ、今夜の夕飯は何がいい?」 「そうだね。今夜は」
定時で上がれる新婚夫婦は今晩の夕食に思考を向けた。
その夜。
中央司令部には親馬鹿二名が残業とあいなった。
書類に向かっている間、最愛の娘・息子の名を呟いたとかいないとか・・・・。
本日も中央司令部は平和である。
- 終 -
04/04/16UP
『らせんを描くと』の親馬鹿二人です。本当はオフで書く予定だったのですが、書き忘れてしまいサイトで上げさせて頂きました。 キングの親馬鹿ぶりが好評でとても嬉しかったですvv
またひょっこり書いた際には宜しくですvv
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